県議会だより第89号(平成11年9月定例会)

2018年7月2日

広報紙「県議会だより」 第89号

9月定例県議会は9月10日から29日まで20日間の日程で開かれ、国際系4年制大学(学部)創設に向けた可能性調査費や緊急雇用対策関連事業など総額121億2894万5千円の11年度一般会計補正予算をはじめとする33議案と人事案1件、報告3件をいずれも原案どおり可決、同意、承認しました。このほか、意見書7件、請願1件も可決、採択しました。また、決算審査法式を改めたことに伴い、決算特別委員会今議会最終日に設置しました。


初日の本会議冒頭、説明に立った寺田典城知事は、来年度から22年度までの県政の指針となる「あきた21総合計画」の基本構想骨子案に触れた中で、県総合開発審議会などで論議があった「遊・学3000」に関し、「可能性を拓く新たな視点」という位置づけにしたことを報告しました。
また、寺田知事はミネソタ州立大学の機能を活用した国際系大学の創設を検討する方向を示し、「解決すべきさまざまな課題があるが、積極的にトライしていく」と述べました。これを受けた国際系大学をめぐる議論は熱を帯び、一般質問や委員会などの場で長時間にわたって審議しました。
県側は従来、同構想は厳しい財政状況に陥っているミネソタ州立大学秋田校(雄和町)の「救済ではない」としながらも、ミネソタ大学との連携は同構想実現にために「不可欠な要素」としていました。
しかし、答弁のあいまいさが追求され、最終的にはミネソタ大学との連携について、県は「最も有力な選択肢」と事実上、答弁を修正しました。正式な答弁は、寺田知事が発言を求める形で、予備日に設定していた27日に本会議を開いて行われました。
また、県の組織機構再編案なかの林務部と農政部の統合問題にも論議が集中、賛否両論が出されました。このほか、秋田空港の滑走路3000メートル化事業の「延期」や長木ダムの「休止」問題、介護保険、少子化対策、男鹿市に建設予定の新水族館計画など県政課題全般にわたって、活発に議論を交わしました。
11年度一般会計予算の補正後の現計は7692億4442万1千円になります。補正には緊急雇用対策関連20億3000万円、経営危機にある田沢湖高原リフトへの無利子貸し付け4億2950万円などが盛り込まれています。
決算特別委員会は、従来12月定例会で設けてきましたが、今回から9月定例会最終日に設置することにしました。
これまで9月定例会の常任委員会で審査していた病院事業、公営企業の両会計決算を閉会中に審査、11月5日招集される臨時議会で認否します。また12月定例会で審査していた一般会計決算も同臨時議会で特別委に付託、12月定例会冒頭で認否することになります。これらの変更は新年度の予算編成に決算審査法式をより反映させようとの狙いから、審査法式を改めたものです。


一般質問
佐藤 健一郎(自民党)

◆中山間地域対策としての直接支払制度を、県はどのような手順で推進するのか。

知事 農政部内に関係各課で構成する「中山間地域等直接支払制度推進連絡会議」を設置し、実施体制を早急に整備するとともに、市町村はじめ関係機関に対し制度の周知を図り、12年度からの円滑な推進に努めたい。

◆すこやか奨学基金の対象を、第三子のみに限定せず、子育て支援の目的に有効活用すべきだ。

知事 制度を点検した結果、超低金利等により、当初計画との間に相当の乖離(かいり)が生じてきた。このままでは平成21年度からの実施が困難であり、現在、抜本的な見直し作業に取り組んでいる。県としては教育費の負担軽減を重要な課題と受け止めており、県民の要望にこたえていけるよう、実効性のある制度として組み立てていき、年内には一定の方向を明らかにしたい。

◆平成14年までに整備予定の「秋田情報ハイウエー基本構想」を前倒しで推進すべきと考えるが。

知事 昨年度策定した「秋田情報ハイウエー基本構想」では、県内全域で利用できる高速・大容量の情報通信ネットワーク構築と、それを活用する情報システムの必要性を明らかにしている。本年度は専門家による委員会を設置し、整備計画を策定することにしており、その中で前倒しについても最大限努力したい。

◆洪水や渇水対策のため、鳥海ダムと大内ダムの建設促進を。

知事 鳥海、大内両ダムの必要性は十分認識している。鳥海ダムについては、なお一層の調査が必要と聞いており、予算の確保を国へ働きかける。大内ダムについては、計画検討や環境調査を進め、早期着手に努力したい。


平沢 健治議員(県民クラブ)

◆知事として発展する秋田市を見守る必要があるが、基本的に秋田市をどう認識しているか。
知事 若者の県外流出をくい止める受け皿としても大きな役割を担ってきたと評価している。よりリーダーシップを発揮し、県全体の振興に寄与して欲しいと願っており、可能な限り支援したい。

◆利用客が減少している県営田沢湖スキー場の将来展望は。
知事 現在、県では平成19年国体開催に向けて準備を進めているが、田沢湖町ではアルペン競技を開催することを提案している。国体開催は、田沢湖スキー場の魅力を全国にアピールできるまたとない機会であり、さらなる活用を総合的に検討したい。

◆秋田中央道路に関し、他の手法として、線路の下を通るトンネル化や、跨(こ)線橋化の調査を。

知事 新たな整備方針の決定に向け、各界の幅広い意見をうかがうため、「秋田中央道路整備方針検討会」を設置して、事業効果、供用方法等について検討している。線路部分のみのトンネルや、跨線橋についても検討会の中で比較対照していく。

◆国際系4年制大学は、他大学との学生争奪競争に勝ち得るような、どのような特色を打ち出そうとしているのか。

知事 国際系4年制大学は、語学能力や、国際舞台で実践的な業務ができる能力等を養成することとしている。その実現のためには国際的な教育プログラムに実績を有するミネソタ州立大学の機能を活用することが、最も効果的な方法と考える。本構想では、日米両国の大学として認定され、さらに日米双方の卒業資格の取得を目指している。その実現に向けて最大限の努力を傾注したい。


宮腰 誠議員(社民党)

◆新設の木材振興課は何を目指し、どのような機能を担うのか。

知事 取引の少なかった住宅メーカーにも可能な限り流通を広げていく必要がある。木材業界が主体となって行う、大工・工務店等も含めた住宅生産業者等への積極的な販売活動の取り組みに対し、市場開拓情報ネットワークシステムの構築、アンテナショップの開設など支援体制を強化しながら県産材の需要拡大に努めていく。

◆木材産業への支援の在り方をどう考えるか。

知事 本県木材産業振興のためには、県外への県産材の販路拡大が極めて重要。住宅生産者と県内木材加工業者とで市場動向や取引情報などの情報ネットワークを構築し、流通ルートを開拓する支援策を考えているほか、産業構造の変化に対応した企業を育成する観点から、補助事業にも参加できるよう、助成条件の緩和等制度改正について国へ要望したい。

◆介護保険制度の周知の対応と今後の具体的計画はあるか。

知事 これまでラジオや新聞、広報誌などを通じて制度概要の周知に努めてきた。9月には要介護認定の申請方法について、10月にはテレビでサービス利用の方法について紹介する計画であり、来年3月にも県広報誌で要介護認定の申請漏れのないよう広報を行う。

◆能代産業廃棄物処理センターの雨水及び土壌汚染対策は。

知事 6月の雨水水質検査では水質汚濁防止法の基準に照らして全く問題は無かったが、今後とも適宜調査を実施する。雨水放流は大きな課題なので地元住民の意見を聞き、能代市とも調整を図り、河川等への放流に向けた環境整備の可能性を検討していきたい。また、土壌調査については国などの指導を仰ぎながら実施したい。


武田 英文議員(自民党)

◆林務部と農政部の統合は組織を後退させることであり、業務を強化することとは矛盾する。

知事 林務行政の組織や、そこで展開される施策の弱体化につながるものではなく、むしろ新たな可能性を生み出すと考える。職員数の縮減では、できるだけ効率的な業務体制を確立していくための創意工夫を、なお一層進めることが大切と考えている。

◆国際系4年生大学の創設については、これまでの見解にとらわれない率直な事情説明と理解を求める姿勢が必要だ。

知事 構想は単なる国際系大学ではなく、ミネソタ州立大学との連携を軸とした特色ある大学を目指すもの。同大学との連携が構想を実現するための不可欠な要素となっている。同大学が本県から撤退する事態になれば、日米の協力による大学構想の根拠が途絶えてしまい、今がこの提案を行う最初にして最後のチャンスと考えた。この構想の大学は、秋田校とは全く別の人格であり、秋田校の救済を目的としたものではない。

◆白神山地の境界部等を縦走する遺産周辺トレールの整備を。

知事 周辺トレールは長大なものであり、世界遺産地域の植生環境への影響や、安全面への配慮などが必要であることから、地元市町村・自然保護団体等の意見を聞きながら慎重に対応したい。

◆高等学校の統廃合や再編にどう取り組むのか。

教育長 学級定員を割っている場合であっても、地域や学校の実態を考慮し、できるだけ学級滅等で対応したい。しかし、同一地区内でそれぞれ定員割れが続いている学校については、発展的な統合も必要と考えている。整備計画については、12月までに素案を作り、来年の7月には成案とし、平成13年度から実施する予定。

村上 薫議員(自民党)


◆あきた21総合計画の策定にあたり、秋田の展望をどのように拓いていこうとしているのか。

知事 新しい秋田づくりのためには、従来の枠にとらわれない発想と人材が必要。異なる文化や価値観に触れ、視野を広げる交流の拡大、自己啓発機会の提供などのための支援策を検討している。県民、NPO、企業、行政などが一丸となって挑戦すれば、個性と活力に満ちた秋田を実現できる。

◆少子・高齢化へどう対処していくか。

知事 安心して子供を産める環境づくり、福祉から教育まで一体となった子育ての支援体制を整備し、結婚や子育てに夢の持てる社会の実現を目指す。高齢化対策では、質の高い医療・福祉サービスの提供、元気な高齢者への就労や社会参加などの機会提供などで、長寿先進県の形成を目指す。施策それぞれに具体の目標数値を掲げて課題解決に万全を期す。

◆若い世代に目を向けた政策をどう立てていくのか。

知事 地域社会のいろいろな分野における閉塞感が若者の定着の意欲をはばんできた面も大きいものと考える。新計画では新産業の育成や豊かな自然環境の中での個性あるライフスタイルの確立、自ら学び行動する力の育成など、若者が感性を生かして活躍できる環境づくりを主眼とした施策を検討している。

◆地方分権の推進にあたり市町村への権限委譲、規制緩和などをどう考えているか。

知事 市町村の分権への取り組みを積極的に支援していくとともに、住民に身近な分野の権限委譲を進めていきたい。地方分権一括法に関連する県条例の整備は、今後公布される関係政令・省令の内容を精査のうえ、12月定例会にお諮りしたい。


安藤 豊議員(県民クラブ)

◆県南看護短大構想を白紙に戻した理由は。次期総合計画ではどう位置付けるのか。

知事 4年制大学志向、看護職の高度化・専門化などの状況変化から、短大構想は継続できないと判断した。これらに応え得る人材をどう育成すべきか、県全体の高等教育機関の整備という枠組みの中で検討を深める。あきた21総合計画基本構想骨子案に具体的な政策を盛り込んでおり、この中で検討することにしている。

◆県民の意見を的確に県政に反映させるシステムの構築と説明責任の遂行をどう実行するのか。

知事 広報・広聴の充実、総合計画の策定でも県民が秋田づくりに参加できる仕組みの構築に努めている。県政情報を幅広く迅速に提供するため現在、ガイドラインを策定中で今年度から施策・事業の評価システムを本格的に運用し、その評価結果を公表している。

◆政策・事業評価システムについての考え方は。

知事 必要性や緊急度などを評価するとともに、数値化したわかりやすい目標を設定し、その達成度を客観的に検証していくもの。大規模事業では費用対効果の分析を行うが、この結果だけを事業の継続や体廃止の基準にするのではなく、住民ニーズや地域振興との関連、将来の変化なども考慮しながら、総合的な判断を行う。

◆認定農業者育成策は。

知事 認定農業者の確保育成に取り組んできた結果、8月末現在で6133の経営体を確保している。引き続き支援対策のメリットを周知徹底するとともに、農業機械のリース事業の拡充を図るなど、経営改善のための新たな対策を整備し認定農業者の確保育成に努めていきたい。


伊藤 昭二議員(共産党)

◆財政運営の根本的転換を。

知事 公共事業による社会資本の整備は県民生活の向上や経済活動の発展に大きく貢献してきており、引き続き推進する必要がある。厳しい財政下、これまで以上に事業内客を精査することも大切で生活に密着した公共事業は生活者の視点に立って着実に取り組んでいきたい。

◆介護保険の実施にあたり国に改善を求めるべきだ。

知事 昨年度以来前倒しを行い圏域別に在宅と施設の均衡のとれた基盤整備に努めている。介護保険対象とならない人の対策としては、生活支援サービスに加えて今年度「在宅高齢者保健福祉推進事業」が創設された。なお、過疎地等の地域に配慮した介護報酬額の設定、施設整備への支援、市町村に対する財政措置については引き続き国に要請していく。

◆乳幼児医療費の無料化を就学前児童まで引き上げる考えはないか。

知事 県民のニーズに応えながら適宜制度の拡充を図ってきた。少子・子育て対策推進本部に乳幼児部会を設置し、医療費助成も検討事項として取り上げたが、今後は福祉医療全体に要する経費の動向や国の制度化などを総合的に勘案しながら検討していきたい。

◆食糧費問題の反省から県は「酒席の伴う懇談の実施基準」を定めたが、その初心が揺らいできているのではないか。

知事 各界で活躍され、高い見識を持った方々のご意見を伺うことは、県政を進めるうえで必要と考えており、今後とも、必要に応じてご意見を頂きたいと思っている。基準については、随時検討を加え、礼を失しない程度に、より簡素な懇談会となるよう努めてまいりたい。


大関 衛議員(自民党)

◆地場産業の振興策は。

知事 技術の高度化や原材料の入手難、後継者の育成などの課題解決に向けて、工業技術センターや木材高度加工研究所などを活用し、加工技術やデザイン、代替材開発などの指導を行っていく。経営面でも商工団体などと一体となり、きめ細かな指導・支援体制を整えたい。2001年に開催されるワールドゲームズでは、国内のみならず世界の人々に本県の伝統的工芸品に親しんでいただけるよう官民挙げた取り組みをしたい。

◆奥羽南線のミニ新幹線化への対応はどうなっているのか。

知事 採算性確保のための需要の拡大、踏切改善、駅舎やその周辺地域の整備などの課題解決のためには、地元市町村が応分の財政負担をする認識に立って、需要拡大のための運動を今まで以上に積極的に展開するほか、鉄道利用客のための駐車場等の整備の方向を明らかにする必要がある。これを踏まえ、整備方法や地元負担の方法、割合についてJR東日本と協議を進めていきたい。

◆東成瀬村に建設が予定されている成瀬ダムについての考えは。

知事 建設省がダム規模や総事業費等を定めるために必要な地質調査及ぴ環境調査を継続実施している。県もダムの必要性は十分認識しており、関係市町村などと連携し、国に流域の方々の熱意を伝え早期建設を働きかけていく。

◆国道398号の通年通行化は沿線住民の悲願。早期実現を。

知事 皆瀬村大湯地内の延長6.6キロの改築工事のうち2.8キロは現在供用開始、来年度早期に0.9キロを供用すべく土工及び橋梁新設工事を実施している。残りの2.9キロは19年全線完成を目指す。通年通行化についても引き続き調査・検討を進める。


委員会審議から
◎総務企画委員会

問い 新たな国際系大学の設置形態の基本方針、交渉が不調に終わった場合の対応は。
答え 県立大学の学部を第一として、ミネソタ州立大学と交渉に当たるが、国籍条項にかかわる管理職の問題など多くの調整事項が想定され、公設民営などの形態についても検討して臨みたい。交渉が不調に終わったとしても国際系大学については議会に相談し、引き続き検討していきたい。ミネソタ州立大学との連携は選択肢の一つだ。

問い 市町村合併に対する県の役割と今後の取り組みは。
答え 閣議決定された地方分権推進計画では合併パターンの作成が要請されており、自治省の指導もあることから、あくまでも地域住民の選択によるべきという基本姿勢に立ち、啓発や議論の材料提供をしていくことが県の役割と考えている。さまざまな条件を有する地域における合併効果や合併のあり方などを検証した上で、素材を提供すべく研究を進めている。今後、アンケート結果等を踏まえ十月に予定している懇話会に、5つ程度の合併類型や合併効果測定対象地域を提示し、12年3月までには秋田県としての合併推進要綱を示したい。


◎福祉環境委員会

問い 県健康増進交流センター「ユフォーレ」の温泉井を、新たに掘削する必要性は。
答え 現在の温泉井は、地滑りの危険性の高い地帯にあるため、改修工事を実施したとしても、再度、ケーシング管などの破損が生じる恐れがある。改修の度に休業を余儀なくされることになれば、利用者の利便性の低下につながり、安定的な温泉供給のためにも、新たな地点での掘削を進めたい。周辺が地滑り区域であり、今後、必要があれば専門家の意見を聞くことも検討したい。

問い 本荘市の国立療養所秋田病院の廃止計画に対する県の基本的態度は。
答え 地域医療としての役割は由利組合総合病院が中心となるものと認識しているが、秋田病院はアトピー治療など独自の医療機能を有していることから、県としても再度点検し、再考が必要なものは国へ要望したい。


◎農林水産委員会

問い 特定中山間保全整備基本調査の内容は。
答え 主要な河川の上流部で、公益的機能が低下することにより、下流にも著しい影響を及ぼす可能性のある地区について、農林水産省と林野庁が、農地と林地の一体的な保全整備を図ることを目的に行う調査。今年度は全国で2カ所で、そのうちの1カ所が本県の雄物川上流地域。現在、この地域は中山間地域対策が特に必要とされていることから、当調査により活性化の一つの方向を明らかにしたいと考えている。

問い 県産材の公共建造物への利用推進を。
答え 公共建築物はシンボル的な意味合いを持ち、PR効果とともに、利用される量も多いことから、県産材の利用推進を図るうえで非常に効果が高い。これまでも林務部をあげて県産材の利用を声を大に訴えてきた。その結果、能代市の崇徳小学校、大館市の上川沿小学校、金足農業高校の体育館等に県産材が利用されているが、若干コストが高くなることが利用拡大の妨げとなっている。また梁や大断面集成材であっても杉を使うことが可能であり今後も県産材利用を総合的に検討し、各部局へ利用を働きかけるなど需要拡大を推進していきたい。


◎商工労働委員会

問い 田沢湖高原リフト株式会社に無利子貸し付けを行うが、今後の経営体制は。
答え 常勤役員が責任を持って迅速に意思決定ができるような経営を行う。JR東日本でも社内にプロジェクトチームを組み、田沢湖スキー場に力を入れており、今後、更新投資が必要になった場合は、過去の教訓を生かし、スキー客の見込みを冷静に判断しながら、無駄な投資にならないよう心がける。

問い 緊急地域雇用特別基金事業は来年度以降、どんな視点で取り組むのか。
答え より多くの新たな雇用が生まれるようにと実施されるものだが、11年度は分野別に偏りが見られた。12、13年度の事業については、新しい産業の雇用創出なども視野に入れた、より幅広い事業の実施により、雇用や就業機会の創出が図られるよう取り組みたい。


◎建設委員会

問い 秋田空港滑走路延長事業の延期理由は。県単独でも調査を継続すべきではないか。
答え 延長事業は平成8年12月、第7次空港整備5カ年計画に組み入れられた。当初、東京便の利用が17年度に120万人に達すると予想されていたが、需要の伸び悩みにより22年度以降にずれ込むことが判明。公共事業採択の費用対効果基準を下回ることになり、延期せざるを得なくなった。延長を決してあきらめたわけではなく需要の創出を図るとともに、費用対効果分析にあたり他の要因も加味するよう国に働きかけていきたい。

問い 秋田中央道路の部分供用と全体計画の見直しについて。
答え コスト検討委員会の検討結果でも事業費は53億円の縮減にとどまったことから、最も効果的な工法は何かを、部分供用という形で整備方針検討会で検討いただいている。総合的に判断すると現在の全体計画が最良であり、その変更は考えていない。中長期的には全体計画を実施するという姿勢のもと、暫定的に部分供用という形で進める。部分供用後についてはその効果を見ながら財源問題も含め関係方面と協議して決めていきたい。


◎教育公安委員会

問い ラーニングサポート事業の内容は。
答え 緊急雇用対策として実施され、子どもの個性を生かし、子どもの多様性にこたえる指導について、調査研究を行うことを目的とする。県内の小学校112校に85人、中学校50校に50人、計135人の非常勤講師を配置。チームテーチングのため既に架配されている162校にこれを加えると、全体の70.7%を占めることになり、要望のあるすべての学校に対応することが可能になる。なお、本県では、いわゆる学級崩壊に当たるような状況はない。

問い 交通死亡事故の発生状況と抑止対策は。
答え 今年は交通死亡事故が多発している。特に、8月に入って急増しており、9月19日現在で前年同期比で15人増の72人が死亡、26.3%の増となっている。これは死者数で全国ワースト9位、増加率で同5位。このため、全県交通事故多発警報を発し、全県緊急取り締まりを実施した。今後、本県独自の対策として、飲酒運転・スピード違反防止、高齢者事故防止、シートベルト着用の推進という、いわゆる3S運動を重点とした「交通死亡事故抑止100日運動」を年末まで実施する。


◎補正予算について

9月定例議会で可決された一般会計補正予算は、121億2894万5千円の追加で、補正後の現計は7692億4442万1千円となります。前年度同期に比べ、661億3535万4千円、7.9%の減となりました。緊急雇用対策関連事業や少子化対策、ミネソタ州立大との連携を軸とした国際系「4年制大学」設立に向けた可能性調査費、経営危機に陥っている田沢湖高原リフトへの無利子貸し付けなどが盛り込まれました。財源は国庫支出金が64億7192万2千円、県債が40億1100万円、地方交付税が9億8千73万2千円などとなっています。
緊急雇用対策関連は20億3000万円。緊急地域雇用特別基金を設置して、緊急的な雇用・就業対策(雇用条件は6カ月未満)を実施するものです。事業の実施期間は13年度末までとなっています。本年度の主な事業内容は、小中学校への非常勤講師の派遣(9820万円)、海岸松林整備緊急対策(7322万円)、各港臨海道路清掃事業(2057万円)、離職者等ホームヘルパー資格取得支援(409万円)などです。
県内の33市町村が実施する雇用対策に対しては、計1億4632万円を助成します。これらの事業により、本年度は638人、13年度末までには計2900人の新規雇用・就業を見込んでいます。
県独自の雇用対策は、障害者雇用対策(2003万円)、商店街空き店舗対策(800万円)、高卒者県内就職促進(175万円)などとなっています。
少子化対策臨時特例交付金事業としては、子育て情報ビデオ制作(1448万円)、子育て支援セミナー開催(546万円)、子育てパパママ支援調査(650万円)などを予算化しました。
国際系4年制大学に関しては、国際化推進の拠点となる新たな国際系大学(学部)創設に向けての可能性を調査するものです。環日本海地域各国の大学との連携も視野に入れており、予算額は268万9千円となっています。文部省と米国の北中部大学認定協会(NCA)から認定を受け、日米双方の大学卒業資格が得られる「クロスライセンス」の方法などについて、ミネソタ州立大学機構と直接協議することにしています。
第三セクターの田沢湖高原リフトは、6年以降のスキー客激減で経営危機に直面しているため、県と田沢湖町が協調して支援するものです。県は4億2950万円を無利子貸し付けます。
また、県の財政状況を企業会計手法で分析するため調査研究する費用として430万5千円、九州地区からの冬季誘客と福岡便通年運航の実現を目指してPRなどを行う事業に712万円を計上しました。
一般公共事業では、河川災害復旧関連緊急事業に50億円を充て、子吉川水系芋川の越水被害対策として用地取得、築堤や護岸工事を行うことにしています。


◎9月定例議会で可決された主な議案は次の通りです(補正予算を除く)。

【県土地利用審査委員の任命】前任者の辞任に伴い、田中敏勝氏(琴丘町鯉川字小野台14-2)を任命。
【財産の取得】▽冬季の円滑な交通を確保するため、ロータリー除雪車12台を2億5095万円で購入、除雪グレーダ10台を1億9435万5千円で購入。
【工事請負契約の締結】▽上小阿仁村特定環境保全公共下水道根幹的施設建設工事を9億5千万円で日本下水道事業団と契約。
▽八森町特定環境保全公共下水道根幹的施設建設工事を14億円で日本下水道事業団と契約。
▽国道105号大曲市内小友地内の道路改築工事を17億4300万円で熊谷・東洋建設工事共同企業体と契約。
▽秋田空港アクセス道路の整備工事を5億9325万円で北日本開発コンサルタントと契約。


◎議会リポート
◎意見書
可決された意見書の要旨は次の通りです。

▼平和外交の積極的な推進を求めることについて
日本は今、平和外交を進める重要な責務を負っている。近隣諸国と平和、友好の善隣関係を築くことによって、国民に安心と安定をもたらし、国際的に名誉ある地位を築くことができる。よって政府においては▽世界で最初の被爆体験国として、核兵器の廃絶に向け、具体的な計画を提示するよう世界各国に働きかける▽21世紀を目前とした平成12年7月に日本で開かれる第26回サミットで、平和外交の推進のため、日本は積極的なイニシアチブを発揮する-などのように平和外交を積極的に推進されるよう要望する。

▼インターネットの有効活用に資するための法整備促進について
今後、インターネットは、家庭を含めあらゆる分野に大きく普及していくことは間違いなく、個人のプライバシーを含む人権の保護を図る一方で、ネット上に起こってくるあらゆる犯罪に厳しく対処していくことが強く求められる。よって政府においては▽個人のプライバシー保護法を制定する▽ネット接続業者の責務の明確化を図る-などの実現に向け、早急に法整備を図られるよう要望する。

▼臍帯血利用料の保険適用等を求めることについて
安全な白血病治療法として注目されている臍帯血(ヘその緒と胎盤に含まれる血液)移植治療を受ける際に、臍帯血利用料に保険が適用されないという問題が残されている。これでは移植治療が利用されなくなるとともに、公的臍帯血パンクの運営にも支障を来すおそれがある。よって政府においては、臍帯血移植治療を促進するため▽平成十二年度において、臍帯血利用料の保険適用を図る▽公的臍帯血バンクに対する国の助成を行う-などの措置を講ぜられるよう要望する。

▼林政の基本政策の確立を求めることについて
日本の森林・林業・林産業は、未曾有の危機に見舞われている。このような現状を打破するためには、森林の利用と保全の両立を図るなど、新たな発想に基づく林政の抜本転換が必要と考える。よって政府においては▽林政に関する法体系の抜本的な整備▽木材自給体制の確立と生産・消費対策の強化▽間伐を含む要整備森林の整備促進・解消-など森林・林業・木材産業に関わる基本政策を早急に確立されるよう強く要望する。


◎請願
採択された請願は次の通りです。

秋田県立秋田工業高等学校の校舎改築について


◎決算特別委委員会

9月定例議会で設置された決算特別委員会のメンバーは次の通りです(◎は委員長、○は副委員長)。
◎大里祐一(自民)、○小田嶋伝一(県民ク)、北林照助、工藤嘉左衛門、佐藤健一郎、原盛一、冨樫博之、鶴田有司(以上自民)、樽川隆、安藤豊(以上県民ク)、加成義臣(社民)、伊藤昭二(共産)